イスラームとは何か?(2/4):イスラームの起源
- より M. アブドッサラーム (IslamReligion.com)
- 掲載日時 15 Mar 2010
- 編集日時 15 Mar 2010
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それではムハンマド(彼に神の称賛あれ)のメッセージは、それ以前に神が啓示されたメッセージのどこに当てはまるのでしょうか?この点は諸預言者の大まかな歴史が明確にしてくれるでしょう。
人類最初の人間であるアダムは、彼の崇拝対象を神のみに向け、神の戒律を遵守した点においてイスラームに従っていました。しかし時の経過と地上における人類の拡散によって人々はこのメッセージから離反し、神に代替物を置いたり、あるいは神以外のものを神に並べたりといった形で崇拝の対象を変えていったのです。ある者たちは敬虔な先人を、またある者たちは霊魂や自然界の力を崇めるようになりました。このため神は人類に対して諸使徒を遣わし、人々の本来の姿である神のみへの崇拝へと回帰させ、神以外のものを崇拝することに対する結果の重大性を警告したのです。
これら諸使徒の先駆は人々にイスラームを説いたノアであり、人々が神に並べて敬虔な先祖への崇拝を始めたのは実に彼の時代のことでした。ノアは人々に対し偶像崇拝を止めるよう呼びかけ、神のみへの崇拝へ回帰するよう命じたのです。一部の人々はノアの教えに従いましたが、大多数は彼を信じませんでした。ノアの教えに従った人々はイスラームに従った人々、つまりムスリムであり、従わなかった人々は不信仰に留まり、そしてそれによる罰を受けたのです。
ノアの後にも神は真実から離反した全ての民族や国家に使徒を遣わし、正道に戻るよう促しました。この事実はいつの時代も同じであり、それはすなわち全ての擬似的な崇拝対象を拒否し、全ての崇拝行為を創造主であり全宇宙の支配者である神のみへと向け、神の戒律を遵守するためです。しかし既述の通りイスラーム以前には、特定の使徒が生活様式や言語や文化が異なる特定の民族、そして特定の時代に遣わされていたのです。
神はバビロン王国には、偉大な預言者の1人で人々に偶像崇拝の否定を説いたアブラハムを遣わしました。彼は人々をイスラームに呼びかけましたが、人々は彼を拒否し殺害さえ試みました。その他にも神はアブラハムに幾多もの試練を与えましたが、彼はそれら全てを乗り越えました。そして彼の数々の犠牲により神は彼の子孫から偉大なる国家を創り、それらの中から預言者を選出すると宣言したのです。そして彼の子孫が神のみの崇拝と神の戒律を守ることを疎かにして真実から逸れ始めた時、決まって神は彼らに使徒を遣わし、その軌道を修正したのです。
従って多くの預言者はアブラハムの子孫に遣わされました。例えば彼の二人の息子であるイサクとイスマエル、及びヤコブ(イスラエル)、ヨセフ、ダビデ、ソロモン、モーゼ、そしてイエスなど(彼ら皆に神の祝福を)がそうです。それらの預言者はイスラエルの民(ユダヤ人)が神の真実の宗教から逸脱した際に遣わされ、人々には彼ら預言者に従い、その戒律を守ることが義務付けられました。全ての使徒は神以外のあらゆる存在の崇拝を拒否し、神の戒律に服従しなさい、という同一のメッセージを携えて到来したのです。そしてある者たちは預言者を信じませんでしたが、他のある者たちは信じました。その信じた人々こそがイスラームに従う者たち、すなわちムスリムだったのです。
これらの使徒の中からムハンマド(彼に神の称賛を)が現れました。彼はアブラハム(彼に神の称賛を)の息子であるイスマエルの子孫であり、イエスの後を継ぐ使徒として遣わされたのです。ムハンマド(彼に神の称賛を)は彼以前の諸預言者、諸使徒がもたらしたものと同じイスラームのメッセージを説きました。それは彼以前の預言者に従った者たちが正しい教えから離反したからこそなのでした。
このように預言者ムハンマド(彼に神の称賛を)は、多くの人々が誤解しているように新しい宗教の創設者ではなく、イスラームにおける最後の預言者として遣わされたのです。神はムハンマドに対し全人類への永遠かつ普遍的である最後のメッセージを啓示したことにより、神がアブラハムと交わした契約を果たされたのです。
人々は、彼らに遣わされた最後の預言者に従うことが義務となっていましたが、この時は全人類がムハンマドのメッセージに従うことが義務となりました。神はこのメッセージが絶えることなく維持され、あらゆる時代に適応することを約束したのです。イスラームの道とは預言者アブラハムの道と同じものなのです。というのもアブラハムは聖書でもクルアーンでも、神に完全に服従し、何者をも介せず神のみを崇めた偉大なる例として取り上げられているからです。この事実をはっきり理解したのであれば、イスラームが最も継続的で普遍的なメッセージを持つ宗教であることが明確になるはずです。それは全ての預言者・使徒は“ムスリム”(つまり神の意思への服従者)であり、“イスラーム”(つまり全能な神のみへの崇拝と、戒律の服従)を説いたことによっています。
こうしてみると、今日自分たちをムスリムと呼ぶ人々は新しい宗教を追従しているのではなく、神の指令により人類にもたらされた、イスラームと呼ばれる全ての預言者・使徒と同じ宗教に追従していることが分かります。“イスラーム”とはアラビア語では文字通り“神への従順”を意味し、ムスリムとは自らの意思で神へ服従し、かつかれを積極的に遵奉し、そのメッセージに調和する人々のことなのです。
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