イスラーム改宗の利点(上)
説明: あなたの疑問にお答えします。
- より アーイシャ・ステイシー
- 掲載日時 16 Mar 2015
- 編集日時 13 Oct 2022
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このサイトにある多くの記事では、イスラームへの改宗がいかに容易なものであるかが説明されています。また、イスラームを受け入れることを妨げさせる要因について議論する記事や動画もあります。改宗者たちによる改宗記からは、彼らの喜びや興奮が伝わってきます。また、いかにしてムスリムになるのかを詳細に説明する記事もあります。イスラームへの改宗は、多くの異なる角度から論じられていますが、今回の連載ではイスラーム改宗における利点について述べていきます。
イスラームの改宗からは多くの利点が得られますが、その中でも最も顕著なものは、人生における最も根本的な真理を見出すことから得られる心の平穏、そして幸福感でしょう。最も純粋かつシンプルな方法によって確立させる神との関係は、人生に解放感や落ち着きをもたらします。イスラームへの改宗における利点はそれだけではありません。以下では代表的なものを一つずつ見ていきましょう。
1.イスラームへの改宗は、人工的なシステム・生活様式への隷属から人を解放します。
イスラームは迷信や半信半疑から心を解放します。また罪や腐敗から魂を解き放ち、抑圧や恐怖心から良心を自由にします。神の御意への帰依は自由を束縛するものではなく、心を迷信から解放し、真実と知識で満たすことによって高度な自由を与えるものなのです。
人はイスラームを受け入れると、ファッション・消費文化などの奴隷ではなくなり、人々を支配下に置くことを目的とする貨幣制度への隷属状態から解き放たれます。イスラームが、神に真の帰依をしない人々の生活を支配する迷信から解放することも特筆に値します。信仰者は、吉兆・不吉などといった迷信が存在しないことを知ります。「もし彼(信仰者)が安楽を授けられたなら、彼は感謝するのであり、それは彼にとって善いことなのである。また、もし彼が困難に苦しめられたなら、彼は忍耐するのであり、それもまた彼にとって善いことなのである」1と預言者ムハンマド(神の慈悲と祝福あれ)が述べたように、信仰者のあらゆる諸事は善いものであり、人生における善悪の側面はどちらも神によりもたらされたものなのです。
人が人工的なシステム・生活様式から解放された後、その人物は正しい方法によって神を崇拝することができるようになります。信仰者は神を信頼し、神に希望を持ち、神の慈悲を真摯に求めるようになるのです。
2.イスラームへの改宗により、人は神の愛を真に感じることができるようになります。
イスラームに改宗することにより、人は人生の指針であるクルアーン、そして預言者ムハンマド(神の慈悲と祝福あれ)の真正な伝承に従うことによって、神の愛情を感じ取ることができるようになります。神は世界を創造した際、それを不安定さの中に放置したりはされませんでした。神は、それにしっかりと掴むことによって、偉大さと永遠なる平和を達成することのできる縄を遣わされたのです。クルアーンの言葉によると、神はその望みを明白にされたものの、人間は自由意志によって神をご満悦させることもできれば怒らせることもできるのです。
(ムハンマドよ、人類に)言ってやるがいい。「あなたがたがもしアッラーを敬愛するならば、わたしに従え。そうすればアッラーもあなたがたを愛でられ、あなたがたの罪を赦される。アッラーは寛容にして慈悲深くあられる。」(クルアーン3:31)
イスラーム以外の教えを追求する者は、決して受け入れられない。また来世においては、これらの者は失敗者の類である。(クルアーン3:85)
宗教には強制があってはならない。正に正しい道は迷誤から明らかに(分別)されている。それで邪神(ターグート2)を退けてアッラーを信仰する者は、決して壊れることのない、堅固な取っ手を握った者である。アッラーは全聴にして全知であられる。(クルアーン2:256)
3.イスラーム改宗の利点は、神が信仰者に約束する天国です。
クルアーンにおいて多くの章句で説明されているように、天国は永久の祝福の場であり、信仰者に約束された場です。神は、信仰者に天国という報奨を与えることによって彼らに慈悲を示します。誰であれ、神を否定したり、神以外の何かを崇拝したり、神に子女や同位者があると主張したりする者には、火獄という来世における破滅が待ち受けます。人はイスラームに改宗することにより、墓での懲罰や審判の日の災厄、そして永久なる火獄から救われるのです。
“だが(神の唯一性を)信仰して、正しい行いに勤しむ者は、われは必ず下に川が流れている楽園の高殿に、落ち着かせよう。(永遠に)そこに住まわせる。(善)行を行う者への報奨は、何と有り難いことよ。”(クルアーン29:58)
4.幸福・平穏・内なる平和は、イスラームに改宗することによって達成されるものです。
イスラームそのものは、内面的平和・平穏と切っても切り離せないものです。「イスラーム」「ムスリム」「サラーム(平和)」という単語は、それぞれ平和・安寧・安全を意味する「サ・ラ・マ」という語根を共有しています。人が神の御意に帰依する時、その人物は内的な安心感と平穏を経験するのです。
完全な幸福が存在するのは天国のみです。そこにおいて私たちは人生の一部である恐怖・心配・苦痛からは無縁な真の平和・平穏・安全を見出します。しかし、イスラームによって定められた指針は、私たち不完全である人間が現世で幸せを求めることを許可します。現世と来世における幸福を成就させる鍵とは、神のご満悦を求め、同位者を配すことなく神を崇拝することなのです。
次回の記事では、赦しと慈悲、また試練と苦難に関わるイスラーム改宗の利点について考察します。
イスラーム改宗の利点(中)
説明: なぜ遅延することなくイスラームに改宗すべきなのか。
- より アーイシャ・ステイシー
- 掲載日時 16 Mar 2015
- 編集日時 16 Mar 2015
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世界中の多くの人々は、イスラームの基礎についての研究に没頭します。彼らはクルアーンの翻訳書を読み、預言者ムハンマド(神の慈悲と祝福あれ)の人生や時代に魅了されます。彼らの多くは、イスラームについてほんの僅かな知識を知るだけで、直ちに改宗します。また、他者は真実を認識するものの、来世の人生を危機に陥れる程に遅延を繰り返します。今回の記事では、あまり知られていないイスラーム改宗の利点について述べていきます。
“イスラーム以外の教えを追求する者は、決して受け入れられない。また来世においては、これらの者は失敗者の類である。”(クルアーン3:85)
5.イスラームへの改宗は、創造主との生涯続く関係の構築における第一のステップです。
人間は皆、生まれた時から本能的に神の唯一性を知っています。預言者ムハンマドは、あらゆる子供はフィトラ1の状態、つまり神についての正しい理解をもって生まれてくると述べたことが伝えられてます2。イスラームは、人は本能的に創造主を知り、神を崇拝して満悦させることを求めることが人の本来の姿であると説きます。しかし神を知らない者、あるいは神との関係を構築しない者は、人間の存在意義について困惑・苦悩します。多くの人々にとって、神を人生の中で見出し、神の満悦する方法で崇拝に勤しむことは、人生にまったく新しい意味をもたらします。
“アッラーを唱念することにより、心の安らぎが得られないはずがないのである。”(クルアーン13:28)
礼拝や祈願などの崇拝行為によって、人はその無限の知識と叡智において人と共にある神の存在を感じ取るようになります。信仰者は、至高者である神が諸天を超越しているという知識を有しており、かれがあらゆる諸事において共にあるということに安堵します。ムスリムは決して孤独ではないのです。
“かれは地に入るもの、そこから出るもの、また天から下るもの、そこに上るものを知り尽される。あなたがたが何処にいようとも、かれはあなたがたと(知識を通して)共にあられる。アッラーはあなたがたの行う凡てのことを御存知であられる。”(クルアーン57:4)
6.イスラームへの改宗は、神による被造物への慈悲と赦しを明らかにしています。
人間という弱い存在として、私たちはたびたび喪失感や孤独感に苛まれます。そうした時に、私たちは神の慈悲と赦しを求めます。神に対する真の帰依を通して、神による安寧が私たちにもたらされます。すると、私たちは神の慈悲の性質を感じ取り、周りの世界にそれが顕著に現れていることが分かるようになります。しかし神を崇拝するためには、神を知らなければなりません。イスラームへの改宗は、神の慈悲は無制限であることを含む、そうした知識への扉を開きます。
多くの人々は、人生の中で犯してきた罪について罪悪感や羞恥心を感じています。イスラームへの改宗は、それらの罪をあたかも起きなかったかのように完全に抹消します。新ムスリムは、新生児のような清らかな状態になります。
“不信心の者に言ってやるがいい。「あなたがたが(信者に対する迫害を)止めるならば、過去のことは赦されよう。」だがかれらがもし繰り返すなら、昔の先例が既にあるのだ。”(クルアーン8:38)
また、たとえイスラーム改宗後に多くの罪を犯したとしても、赦しの扉は常に広く開かれています。
“あなたがた信仰する者よ、謙虚に悔悟してアッラーに帰れ。恐らく主は、あなたがたの様々な悪を払い、川が下を流れる楽園に入らせるであろう。”(クルアーン66:8)
7.イスラームへの改宗は、試練や苦難が人生の一部であることを教えます。
ひとたびイスラームに改宗すれば、人は現世の試練や苦難が無作為で未組織な宇宙の営みなどではないことを理解するようになります。真の信仰者は、自らの存在が組織立った世界の一部であり、全能なる神が定めた方法で寸分の狂いもなく展開していることを理解します。
神は私たちが試されることを明言しており、私たちが試練や苦難において忍耐するよう勧めます。これは、試練・苦難においての振る舞いに関して明確な指針を与え、神の唯一性を説く、イスラームという宗教を受け入れない限りは理解の困難なものです。クルアーン、そして預言者ムハンマドにまつわる真正の伝承において見出すことのできるそれらの指針に従うのであれば、落ち着いた心で受難に向かい合い、それに感謝することが可能になるのです。
“われは、恐れや飢え、と共に財産や生命、(あなたがたの労苦の)果実の損失で、必ずあなたがたを試みる。だが耐え忍ぶ者には吉報を伝えなさい。”(クルアーン2:155)
預言者ムハンマドは述べています。「人は各々の宗教的献身性によって試みられるのであり、信仰者は地上を全く罪の重荷なき状態で歩くようになるまで、試みられ続けるのである。」3ムスリムはこの世界、この人生が永遠に続くことになる地獄、もしくは天国への旅の中の束の間の停留の場に過ぎないことを確信しています。罪の重荷なき状態で創造主に向かい合うということは素晴らしいことであり、私たちに振りかかる苦難は十分に価値あるものなのです。
次回の記事では、イスラームが人生の指針であることに言及して締めくくります。イスラームは私たちによる他者への権利・義務・責任を明確に定義し、動物や環境を保護します。イスラームはその大小を問わず、人生におけるあらゆる疑問に対する答えを持っているのです。
イスラーム改宗の利点(下)
説明: 改宗の利点についてのさらなる考察。
- より アーイシャ・ステイシー
- 掲載日時 23 Mar 2015
- 編集日時 23 Mar 2015
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イスラーム改宗における利点は数え切れない程多いものの、特筆すべきものをいくつか挙げていきます。
8.イスラームへの改宗は、人生における大いなる疑問を解消します。
イスラーム改宗における大きな利点の一つは、心を覆う霧を晴らすことです。それにより突然、人生の起伏の理由が分かるようになります。何千年にも渡って人類を悩ませてきた大きな疑問は、そこにすべてあらわになります。私たちは、人生のある地点で崖っぷちや分かれ道に立った時、こう自問します。「本当に人生はこうあるべきなのだろうか?」人生にはより深い意味があるのです。イスラームはあらゆる疑問に答え、物質主義を超えた観点を持たせ、人生とは不滅の生命へ向かう途中の停留の場に過ぎないということを知らせるだけでなく、人生に明白な目標と目的を与えます。私たちはムスリムとして、神の言葉であるクルアーン、そして神の最後の預言者ムハンマド(神の慈悲と祝福あれ)の模範において答えを見出すことができます。
ムスリムであるということは、創造主への完全なる帰依、そして私たちは神を崇拝するために創造されたということを意味します。私たちがこの無限であるかのような宇宙にいるのは唯一神を崇拝するという理由に他なりません。イスラームへの改宗は、神の同位者を配する大罪から私たちを開放するものです。
“ジンと人間を創ったのはわれに仕えさせるため。”(クルアーン51:56)
“わたしの人びとよ、アッラーに仕えなさい。かれの外に神はないのである。”(クルアーン7:59)
ただし、神が人間の崇拝を必要としているのではないことは明記されなければなりません。全人類が一人として神を崇拝せずとも、神の栄光を低減させることは全くなく、全人類が一丸となって神を崇拝したとしても、神の栄光を増加させることは全くないのです1。
9.イスラームへの改宗は、人生のあらゆる側面を崇拝行為にします。
イスラームという宗教は、審判の日まで存在し続ける人類の利益のため啓示されました。それは週末や毎年恒例の行事の際だけに実践されるものではなく、人生そのものの完全なる模範です。信仰者にとり、神との関係は1日24時間、一週間で7日間続くものです。それは始まったり終わったりするものではありません。神はその際限なき慈悲により、私たちに精神・感情・肉体的な人生のあらゆる側面を対象とする包括的なアプローチを授けました。神は私たちを暗闇の中でつまづくように放置したのではなく、私たちに導きの書であるクルアーンを授けました。また神は、預言者ムハンマドにまつわる真正の伝承集を授け、クルアーンを説明し、その導きを拡張させたのです。
イスラームは私たちの身体的・精神的欲求にバランスを取らせ、それを満たします。創造主によって被造物のために設計されたこのシステムは、道徳性・倫理性における高い水準を求めるだけでなく、人それぞれの行いを崇拝行為に変換します。実際、神は信仰者がその人生を神に捧げるよう命じているのです。
“(祈って)言ってやるがいい。「わたしの礼拝と奉仕、わたしの生と死は、万有の主、アッラーのためである。”(クルアーン6:162)
10.イスラームへの改宗は、あらゆる関係を調和の取れたものとします。
神は、被造物にとって何が最善であるかをご存知です。また神は人間の精神構造を熟知しており、それゆえイスラームは私たちが神、両親、配偶者、子供、親戚、隣人などに対して有する責任と権利について明確に定義します。これは無秩序に秩序を、そして混乱に調和を与え、軋轢や論争に平和をもたらします。イスラームへの改宗は、人があらゆる状況に対して自信を持って向かい合うことを可能にします。イスラームは精神・政治・家族・社会・組織といった、人生のあらゆる側面における導きを提供するのです。
神に服従し崇敬する義務を果たすのであれば、私たちは自動的にイスラームが要求する高い水準の倫理観と礼儀を得ることになります。イスラームへ改宗するということは、神の御意に帰依することを意味し、それは人類だけでなくすべての生き物、さらには環境までにも敬意を示し、配慮することを伴うのです。私たちが神のご満悦を得るための選択をするためには、神を知り、神に帰依しなければなりません。
最後になりましたが、イスラーム改宗の利点の一つには、毎日を喜びで満たすというものがあります。ムスリムは自分自身を取り巻く状況がいかなるものであろうと、神の許可がない限りは全宇宙の中で何一つとして事は起きないということを確信しています。試練や苦難はすべて善きものであり、神への完全なる信頼と共にそれらと向き合うのであれば、それらは幸せな結末へとつながり、真の満足感を得ることとなります。預言者ムハンマドはこう述べています。「驚くべきは、信仰者の行いである。それは、彼にとって益としかならないのである。安楽がもたらされると、彼は感謝し、それは彼自身にとっての益となる。苦難がもたらされると、彼は忍耐し、それは彼自身にとっての益となる。」2
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