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マルコム・Xによるマッカからの手紙

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説明: マルコムXはある深遠な経験によって人種差別、そしてネーション・オブ・イスラム教団への認識を一変させ、真のイスラームへと改宗しました。それはハッジによるものでした。

  • より IslamReligion.com
  • 掲載日時 21 Jun 2010
  • 編集日時 21 Jun 2010
  • プリント数: 151
  • 観覧数: 5656 (日平均: 2)
  • 評価: 5 から 5
  • 評価者 2
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  • コメント日時: 0

ハッジを行なうという祝福を受けた多くのムスリムたちは、いかにそれが人生観を変えてしまう旅であったかを語ります。これは一部の人々にとっては一際顕著です。

マルコム・X、別名アル=ハッジ・マーリク・アル=シャバーズはハッジを通し、1964年4月に真のイスラームの光を目の当たりにした一人でした。彼はそれ以前には黒人至上主義組織であるネーション・オブ・イスラム教団のメンバー、そしてスポークスマンとして、白人は悪魔であり、黒人が優越した存在であることを信じていたのです。

彼は1964年3月にネーション・オブ・イスラム教団を後にしたことをきっかけにハッジを行ない、白人と人種問題についての考え方を完全に変えたのでした。

以下はアル=ハッジ・マーリク・アル=シャバーズによる、ハーレムの熱烈な追従者たちに向けた、自身の経験を物語る心のこもった手紙の抜粋です。そこは何が彼の人種問題における観点を劇的に変えたのか、また彼の祝福された旅がいかなるものであったかが明記されています。私たちはこの手紙が書かれた当時は、アフリカ系アメリカ人に対する数世紀に渡る抑圧が初めて公に語られ、非難されるようになった歴史的転機点であったことを念頭に入れておくべきでしょう。[1]

“私は、アブラハム、ムハンマド、そして聖典に登場する全ての預言者たちの家であるこの古代の聖地において、あらゆる肌の色の人々によって実践されているような親切なもてなしと圧倒的同胞愛の精神をこれまで一度も目の当たりにしたことがなかった。この一週間、私がまわりで見て来たあらゆる人種の人々による優しさにはすっかり言葉を失ってしまい、魅了されてしまった。

“私は聖なる都市マッカへの訪問という祝福を受け、ムハンマドという名の若きムタッワフに先導されてカアバ外辺を七周し、ザムザムの井戸からの水を飲んだ。私はサファー山とマルワー山の間を七回行き来した。私は古代都市ミナー、そしてアラファ山で礼拝した。

そこには何十万人もの巡礼者たちが世界中から集結していた。彼らは青い目をした金髪から黒い肌のアフリカ人まで、あらゆる人種から構成されていたが、我々は皆同じ儀礼を行ない、私のアメリカでの経験上、白人と非白人の間では決して起こり得ないと信じていた統一と同胞愛の精神を体現していたのだ。

アメリカはイスラームを理解する必要がある。なぜならこれは社会から人種差別をなくす唯一の宗教であるからだ。私はムスリム世界を旅して回るにあたり、アメリカでは白人と見なされるような人々と出会い、話し、には食事まで共にした。彼らの心からはイスラームの教えによって‘白人’の態度が取り除かれていたのだ。私はこれまでに一度も、このような誠実さと真の同胞愛が、肌の色に関係なく、ての人種によって実践されているのを見たことがなかった。

“あなたは私の口からこういった言葉が出て来ることに驚くかもしれない。しかしこの巡礼によって私が見て来たこと、そして経験して来たことは、これまでの私の思考パターンを大きく変え、以前の持論の一部を破棄させるものだった。それは私にとって決して難しいことではなかった。私は常に自分自身の確信にわれず、 事実のみを捉え、新しい経験や知識を得ると共に、人生において現実を見つめることに努めてきた。私は知的な真実の探求と同時に求められる柔軟さ、そしてそのために必要とされる、心常なる開放を心がけて来た。

“ムスリム世界でのこの11日間、私はムスリム同胞たちと共に同じ神に祈りつつ、同じ皿から食べ、同じ器から飲み、同じ寝床で寝た。彼らの目の色は真っ青であり、髪の色はこれ以上ないほどの金色であり、肌の色は真っ白であった。そして彼ら“白人”ムスリムたちの言葉、ふるまい、行為からは、ナイジェリアやスーダン、ガーナのアフリカ黒人ムスリムたちと同じ真摯さが感じられたのだ。

“我々は本当に同一(の兄弟)なのだ — なぜなら彼らの唯一神への信仰は、彼らの心から、行動から、そして態度から“白さ”を取り除いたのである。

“私はこの経験によって、もしもアメリカ白人が神の唯一性を認めたのであれば、人類の唯一性も認めることが出来るのではないか、と考えた。そして彼らの人種の“相違”による他者の評価、妨げ、危害もなくなるのではないか、と。

“人種差別問題はまるで末期癌の症状のようにアメリカを蝕んでいる。いわゆる白人“キリスト教徒”アメリカ人の心はそういった破壊的問題に対して有効であると証明された解決策を受け入れるべきである。もしかしたら、それは差し迫った惨事から間一髪でアメリカを救うかもしれない。人種差別による惨事はドイツにおいて、ドイツ人自身を破壊しているではないか。

聖地での一時一時は、アメリカで黒人と白人との間に起こっていることに関し、なる精神的洞察力を養うことを可能にさせた。アメリカ黒人は、彼らの人種的憎悪に関して責められるべきではない。彼らはただ400年間にも渡るアメリカ白人からの執拗な人種差別に反応しているだけなのだ。しかし、人種差別がアメリカを自滅的な進路へと突き動かしている状況の、大学や専門機関などで学ぶ白人の若い世代たちは、あちこちの壁に描かれた手書きのメッセージを見て、真実への精神的探求を始めるであろうことを、私は彼らと関わった経験から信じている。それは人種差別が必然的にもたらす悲惨な結末を避けるための、アメリカに残された唯一の道なのである。

“私はこれ程までの栄誉を授かったことはこれまでになかった。これ以上の謙遜を感じさせられたこともこれまでになかったのである。アメリカ黒人に多大な祝福が与えられたということなど一体誰が信じるだろうか?数日前の夜には、アメリカでは白人と呼ばれるような、国連外交官であり、大使であり、国王の側近でもある人物からホテルのスイートルームと彼のベッドを提供された。私はそのような栄誉を受けるであろうことなど、全く夢にも思わなかった。アメリカでそのような栄誉を受けるのは一国の王に対してであり、黒人に対してではないのだ。

“全世界の主である神にこそ全ての称賛あれ。”

マルコム・Xは多くの実りある経験をしました。親切さと寛大さは、彼が多くの場所で受けたもてなしによって感銘を受けた特質でした。彼は異なる人種同士の兄弟愛を目の当たりにし、次のような言葉で人種差別を放棄したのです:

“私は人種差別主義者などではない・・・過去には全ての白人たち、つまり人種全体を一刀両断してきたが、この一般化によっておそらくそれに値しない一部の白人たちも傷つけてしまったかも知れない。聖都マッカにおける先の巡礼の結果、私は精神的な啓発を受ける祝福があった。私はもうある特定の人種に対し非難したりはしない。私は今、本物のスンニー・ムスリムの人生を生きようと励んでいる。繰り返すが、私は人種差別主義者でもなければ、人種差別の信条に同調したりもしない。私はての人々が自由、正義、平等、生命、解放を得、幸せの追求が出来ようになることを心の底から望んでいる。



Footnotes:

[1] 『ルーツ』の著者、アレックス・ヘイリーによる口述筆記『マルコムX自伝』より。

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