イボンヌ・リドリー 英国出身のジャーナリスト
説明: タリバン統治時代のアフガニスタンで拘留された元ジャーナリストのイボンヌ・リドリーが、イスラームとの出会い、そして改宗の経緯についてBBCに語ります。
- より ハンナ・ベイマン
- 掲載日時 02 Jun 2014
- 編集日時 02 Jun 2014
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もしも、あなたが米国のスパイとしての嫌疑をかけられ、タリバンに拘束されたのなら、ハッピー・エンディングを期待することは難しいかもしれません。
しかし、ジャーナリストのイボンヌ・リドリーにとって、アフガニスタンでの経験は、彼女の言葉を借りれば「世界で最も大きく、最良の家族」の宗教への改宗へとつながったのです。
元アルコール中毒・日曜学校の先生は、解放後にクルアーンを読み、イスラームに改宗しました。
彼女は急進派のアブー・ハムザ・アル=マスリーについて、「本当は可愛い人だわ」と述べ、またタリバンは不当な処遇を受けてきたと言います。
2001年、サンデー・エクスプレスの記者として働いていたリドリーは、パキスタンからアフガニスタンに密入国しました。
しかしジャララバード周辺で、彼女はタリバン兵の正面でロバから転落した際、ブルカから禁じられていたカメラをあらわにしてしまい、ジャーナリストであることがばれてしまいました。
その兵士が猛烈に彼女の元に駆け付けてきた際、彼女はどう思ったのでしょうか?
「まあ、あなた素敵ね。」と彼女は後に言っています。
「彼はアフガニスタンでは珍しいすごく綺麗な碧眼を持ち、その髭も素晴らしかったの。
「しかし、その後すぐに恐怖を感じました。ただ、解放後にパキスタンへ向かう途中でこの男性をもう一度目にし、彼は車から私に手を振っていたわ。」
リドリーは電話をすることも許されないまま10日間の拘束を受け、彼女の娘デイジーの9回目の誕生日を逃してしまいました。
リドリーはタリバンについてこう語ります。「彼らの行為や信条を擁護することは出来ませんが、彼らは不当に悪魔化されています。なぜなら善良な人々に爆弾を落とすことは出来ないからです。」
46歳のリドリーは、人質が犯人に好意を抱いてしまう、ストックホルム症候群の発症が疑われました。
しかし彼女は言います。「私は拘束者たちに対して酷いことばかりしていました。彼らに唾を吐き、悪態をつき、食事を拒みました。私がイスラームに興味を持ち始めたのは、解放後になってからです。」
“ひらひらの下着”
実際、リドリーが拘置所の洗濯場で、兵士たちの宿舎から見える場所に下着を干していたのを取り下げるのを拒んだため、タリバンの外務大臣が呼び出されたほどです。
「彼は言いました。『ほらほら、彼らがそれを目にすると、よからぬ考えを抱いてしまうのですよ』」
「アフガニスタンは世界で最も裕福な国家から爆撃を受ける瀬戸際であったというのに、彼らが心配していたのは、私の大きな、ひらひらの黒い下着のことだけだったのです。」
「米国はタリバンを爆撃する必要などないことを私は確信しました。女性の連隊を組んで襲来し、下着をちらつかせるだけで彼らは降参することでしょう。」
リドリーは英国に戻った際、自らの経験を理解するため、クルアーンを読んでみることにしました。
「私は、自分が読んでいたものについて、驚愕しました。それは1400年以上に渡り、一字一句たりとも変更されていないのです。」
「 私は、世界で最も大きく、最良の家族に参加したのです。団結さえすれば、私たちは完全無敵なのです。」
ダラム・カウンティ在住の、彼女のイングランド国教会の両親は、彼女の新しい家族についてどう見ているのでしょうか?
「当初、私の家族と友人の反応は嫌悪感に満ちたものでしたが、彼らは皆、私が以前よりも幸福で健康、そして満たされていることを認識しています。」
「また、母は私が飲酒を止めたことをとても喜んでいます。」
イスラームにおける女性の地位について、リドリーはどう考えているのでしょう?
「ムスリム諸国の中には抑圧された女性たちもいますが、タインサイド1の裏路地に行けば、そこにも抑圧された女性たちがいます。
「抑圧は文化的なものであり、イスラーム的なものではありません。クルアーンでは、女性が平等であることが至極明白にされています。」
また、ムスリムの服装がいかに尊厳を強化するものであるかを彼女は述べます。
「胸の大きさや脚の長さではなく、知性によって評価されるということは、いかに解放的であることか。」
3度の結婚を経験した独身の母として、彼女はいかにイスラームが異性問題の心配事から解放してくれたかについて述べます。
「私はもう、男性からの電話を待つことも、約束をすっぽかされることもありません。
「男性関係のストレスがなくなりました。私は10代以来、初めてボーイフレンドや夫を持つことからのプレッシャーを感じずに済むようになったのです。」
しかし、彼女を称賛する男性の電話は、最低でも一本はありました。ロンドン北部の宣教師、アブー・ハムザ・アル=マスリーからのものです。
「彼は言ったの。『イボンヌ姉妹、イスラームへようこそ。おめでとう。』
「私はまだ最終的な証言をしていない、と言ったら、彼はこう言いました。『プレッシャーや強制されていると感じてはなりませんよ。ここのコミュニティ全体はあなたをサポートしているのですから、もし何か必要であれば、姉妹の一人に電話をしてみてください。』
“地獄へ直行”
「私は思いました。信じられないわ。フィンズバリー・パーク・モスクの「火と硫黄」宣教師と呼ばれている彼は、本当は可愛い人だったわ。
「私が電話を切ろうとすると、彼はこう言ったの。『あなたに覚えておいてほしいことが一つだけあります。明日、もしあなたが交通事故で死んだのなら、あなたは地獄へ直行しますよ。』
「私は恐れのあまり、6月の改宗の時まで、信仰証言のコピーを財布に入れていました。」
彼女の新しい人生における最も困難の部分とは何なのでしょう?
「一日五回の礼拝だわ。それと、タバコを止めるのも未だに手こずっているの。」2
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