ジェラルド・F・ダークス、統一メソジスト教会、米国(パート4/4)

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説明: “The Cross and the Crescent(十字架と三日月)”の著者であり学者でもあるダークスの生い立ち、そして彼のハーバード「ホリス」神学校での勉学によってキリスト教から目を覚ました逸話。パート4:“十字架から三日月へ。”

  • より ジェラルド・F・ダークス
  • 掲載日時 18 Apr 2011
  • 編集日時 18 Apr 2011
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1993年の3月となり、私と妻は中東の5週間の旅を楽しんでいました。ちょうどそのときはムスリムたちが日の出から日没までを断食するイスラーム暦のラマダーン月でした。私たちはアメリカでムスリム家族たちと一緒に過ごすことが多かったため、どうせなら彼らと共に礼儀的観点から断食をしようと決めました。この時を期に、私は中東の新しいムスリムの友人たちと共にイスラームの定期礼拝を開始しました。結局、それらの礼拝に対して反対する理由は何も見当たりませんでした。

私は少なくとも、自らをキリスト教徒であると自称していました。とどのつまり、私はキリスト教の家族に生まれ、キリスト教徒として育てられ、少年時代には毎週日曜日に教会と日曜学校に出席し、権威ある神学校を卒業し、巨大なプロテスタント統治における、任命された宣教師だったのです。しかしながら、同時に私は三位一体とイエス(神の慈悲と祝福あれ)の神格性を信じないキリスト教徒でもありました。更に私はいかにバイブルが改竄されたものであるかを十分承知し、自分の慎重な言葉遣いによるイスラームの信仰宣言を唱え、ラマダーン中に断食をし、一日5回の礼拝も行い、アメリカそして中東におけるムスリムコミュニティで自ら目撃した生活模範にとても好感を持っていたのです。(私が中東で経験した道徳や倫理観の詳細をここですべて表現するのは、時間・空間的にとても無理です。)もし私がムスリムであるかを尋ねられたら、上記の事項を詳細に5分間は語って、質問には答えないままでいることが出来ました。私は知的な言葉遊びをしており、それに成功していたのです。

私たちの中東旅行も終盤に入っていました。私は英語を全く話さない老人の友と、ヨルダンのアンマーン郊外にある貧困地域の曲がりくねった小さな道を散歩していました。散歩の途中、向かい方面から別の老人が近づき、「アッサラーム・アライクム」(あなたがたに神の平安がありますように)と挨拶しつつ、握手を求めてきました。そこには私たち3人の他には誰も居らず、私はアラビア語を話せませんでしたし、私の友、そしてこの見知らぬ老人は英語を話せませんでした。この老人は私を見て尋ねました。「ムスリム?」

このとき、私は完全に逃げ場がありませんでした。私は英語でしかコミュニケーションが取れませんでしたし、彼らはアラビア語しか話せないので、そこには言葉遊びの余地がなかったのです。またそこには私の巧みな英会話術によってその状況から救い出してくれる通訳もいませんでした。私はその質問を理解出来なかったふりをすることも、それが明らかに見え透いていただろうため出来ませんでした。突然にして、そして思いがけなく、私の選択肢は僅か二つに絞られたのです:私には「ナアム」(はい)と言うか、もしくは「ラー」(いいえ)と言うかのどちらか以外にはなかったのです。私は決めなければなりませんでした。そしてそれはまさにその瞬間だったのです。それほど単純なことでした。神に讃えあれ。私は「ナアム」と答えたのです。

その一言を発することにより、これまでのすべての知的言葉遊びは過去のものとなったのです。それによって同様に、私の宗教的自己認識といった精神的戯れ事もまた、過去のものとなりました。私はもう、奇妙で特殊なキリスト教徒ではなくなったのです。私はムスリムになったのです。神に称賛あれ。私と33年間付き添った妻も、ほぼ同時にムスリムとなりました。

中東の旅からアメリカに戻ってまだそれほどの月日が経っていなかった頃、私たちのイスラームへの改宗について話を聞きたい、という人物から彼の家に招待されました。彼は定年を迎えた元メソジスト教会宣教師であり、過去に数回ほど会話を交わしたことのある人物でした。それまで、初期の様々な独立した原典からのバイブルの人工的な構成といった問題に関して、表面上は話したことがあったのですが、宗教に関しての踏み込んだ話をしたことはありませんでした。私は彼が堅実な神学教育を受けたこと、そして毎週日曜日に教会の聖歌隊で歌っていることを知っていました。

当初の私による反応は「お、来たか。」というものでした。しかし良き隣人であること、そしてイスラームに関して他者とすすんで会話することはムスリムにとっての義務です。そのため、私は翌日の夕食の招待を受け、それまでの24時間の大半を、いかにしてこの男性の要求する話題に対して最善の方法で答えることが出来るだろうかと熟考しました。約束の時間が来たので、私たちは彼の家へと運転しました。しばらく他愛のない会話をした後、彼はついに私がなぜムスリムになろうと決意したのかを尋ねました。私はこの質問を待ち構えており、その答えは慎重に用意されたものでした。「あなたも神学教育によって承知されているように、ニケア公会議による決定には、多くの非宗教的要素が関わっていました。」彼は直ちに単純明快な言葉によって私を遮りました。「あなたは遂に、多神教的要素に堪えられなくなったのですよね?」彼は私がムスリムになった理由を熟知しており、私の決断を批判したりはしなかったのです。彼自身もその年齢と経験により「特殊なキリスト教徒」になりつつあったのですから。神が御望みであれば、今頃彼は十字架から三日月への旅を終えているでしょう。

アメリカでムスリムになるには、数々の犠牲が求められます。いえ実際、ムスリムとして生きるにはどこにおいても犠牲が必要とされますが、それらの犠牲はアメリカにおいて、アメリカ人改宗者らによってより顕著なものとして感じられることでしょう。それらの犠牲の一部は非常に想定可能なものであり、着用する衣服の変化、酒類、豚肉、利子取得などの完全な断絶が挙げられます。また一方では想定が難しいものもあります。例えば私たちと親しかったあるキリスト教徒家族から「イエス・キリストを個人的救世主とみなさない者との関わり合いは持てない」と関係を断たれたことがあります。また、私の複数の同僚からは、私に対しての態度を豹変されました。それが偶然であろうとなかろうと、私への顧客の委託は減少し、収入が30%近く落ち込みました。こういった想定が困難な犠牲はときに受け入れ難いものですが、それによる見返りとしてはほんの小さなことなのです。

イスラームを受け入れ、自らを神(至高なるかれに称賛あれ)に服従させようと考えている人々には、何らかの犠牲が待ち構えていることでしょう。それらの多くは容易に想定でき、その他はびっくりするようなことや、想像すらしなかったことがあるかも知れません。それらの犠牲が存在することは否定のしようがありませんし、私はそういった苦い薬にシュガー・コーティングしようとも思っていません。しかしそれらの犠牲を過剰に心配したりしてはなりません。つまるところ、これらの犠牲はあなたが今思っていることよりも重要ではないのです。神が御望みであれば、これら犠牲はあなたの買っていた「神々」よりもとても安い犠牲であることがお分かりになるはずでしょう。

Jerald_F._Dirks__Minister_of_United_Methodist_Church__USA_(part_4_of_4)_001.jpg

Please note: The ordination certificate above was too large to scan in completely - the top line of text is missing, which says “Let It Be Known To All Men That”

注:上の任命書はスキャンするにあたって大きすぎたため、一番上の段落(“Let It Be Known To All Men That”)が抜け落ちています。

Jerald_F._Dirks__Minister_of_United_Methodist_Church__USA_(part_4_of_4)_002.jpg

Jerald_F._Dirks__Minister_of_United_Methodist_Church__USA_(part_4_of_4)_003.jpg

His Web Page:

www.muslimsweekly.com/index.php?option=com_content&task=blogcategory&id=92&Itemid=93

彼のウェブサイトはこちら:

http://www.dirksonlinebooks.com/

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