宗教に強制があってはならない

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説明: イスラームは改宗を強制などしません。むしろそのようなことは、明らかな文面によって禁じられているのです。

  • より サーミー・アル=マジード
  • 掲載日時 15 Aug 2011
  • 編集日時 15 Aug 2011
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Let_There_Be_No_Compulsion_in_Religion__JP_001.jpg聖文(クルアーンのこと)で確立された根本的事実の一つは、誰もイスラームを強制するようなことはできない、ということです。間違いが真実とはっきり区別されるように、イスラームを確証する証拠を挙げるのはムスリムの義務ですが、そのあと、イスラームを受け入れたいと思う人はそうすることが出来ますし、受け入れたくない人はそれも許されています。もしその人がイスラームを受け入れたくないからといって、脅されたり、害を受けたりするべきではないのです。

この点においての多くの決定的な証拠があります。神はこう仰っています:

“宗教には強制があってはならない。正に正しい道は迷誤から明らかに(分別)されている。それで邪神を退けてアッラーを信仰する者は,決して壊れることのない,堅固な取っ手を握った者である。アッラーは全聴にして全知であられる。”(クルアーン2:256

また神は、こう仰っています:

“もし主の御心なら,地上の凡ての者は凡て信仰に入ったことであろう。あなたは人びとを,強いて信者にしようとするのか。”(クルアーン10:99

また神は、こうも仰っています:

“だからもしかれらが,あなたと論争するならば言いなさい。「わたしもわたしに従う者も,真心こめてアッラーに服従,帰依し仕えます。」また啓典を授っている人びとと無知の者たちに言いなさい。「あなたがたは服従,帰依したのか。」もし服従,帰依すれば,たしかに正しく導かれ,仮令かれらが背き去るにしても,あなたの務めは,只(啓示を)かれらに伝えるだけである。本当にアッラーはしもべたちを(漏れなく)御存知であられる。”(クルアーン3:20

また、神はこう仰ります。

“使徒には,只(啓示を)宣ベ伝えることの外、何も課せられない。”(クルアーン5:99)

前述の最後の二節は、マディーナ(メディナ)で啓示されたものだということは重要です。なぜなら、この二節で定められた決まりは、マッカ(メッカ)での弱い立場にあった者たちのために啓示されたものではないということを示しているからです。

イスラームがこのような立場を主張するのなら、ジハードについて我々が見聞きしてきたことは一体何だったのだろう、と思う人もいるかもしれません。預言者(彼の上に平安と祝福あれ)が、彼の教友たちに命じた、多神教との戦いについてはどう説明できるでしょう?この問いに対する答えとしては、イスラームにおけるジハードには多くの理由がありますが、単純に人々を強制的にムスリムにしようとするのがその理由ではないということが挙げられます。改宗については文章や会話で、そのメッセージを平和的に伝えることでなされます。武器を使った強制的な改宗はあり得ないのです。

預言者は、ローマの支配者ヘラクリウスへの手紙にこう書いています。

“あなたをイスラームに招待します。もしあなたがイスラームを受け入れるなら、あなたは安全でいられるでしょう。そして神はあなたに2倍の報酬を与えるでしょう。しかし、もし背くのなら、あなたの支配下にある人々の罪は、あなたが背負うことになります。”(サヒーフ=アルブハーリ、サヒーフ=ムスリムによる伝承)

人々が何の障害や邪魔なしにメッセージを聞き、証拠が与えられたのなら、ムスリムの義務はそこで終わりです。信じるも信じないも、その人の自由なのです。

たとえムスリムが戦いを強いられ、その結果としてその土地を征服するときであっても、そのあとの義務は、その土地で神の法を確立させ、ムスリムであってもなくても、すべての人のための公平さを守ることなのです。その土地の人々に、彼らの意思に反してイスラームを強制する権利はありません。イスラームの統治下における非ムスリムたちは、彼らの信仰をまもり、彼らの宗教儀礼を守る権利が与えられなければならず、そして彼らもまたその土地の法を尊重しなければならないのです。

もしジハードの目的が、非ムスリムにイスラームを強制することだったのなら、預言者は敵が退いたあとは攻め続けないように命じたり、女性や子供を殺すことを禁じたりすることはしなかったでしょう。しかし、彼はそうしたのです。

ある戦いの最中、預言者は人々の集いを目にしました。彼は使いを送り、どうして人々が集まっているのかを調べさせました。使いは戻ってきてこう報告しました:「殺された女性の周りに集まっていたのです。」そこで預言者はこう言いました:

“「彼女は殺されるべきではなかったのです!」軍の指揮はハーリド・ブン・アル=ワリードが行っていたので、預言者はハーリドへの使いにこう伝えるよう言いました。「女性と使用人は殺さないように、ハーリドに伝えなさい。」”(アブー・ダーウードによる伝承)

つまり、敵意に満ちた敵軍による戦いの中でも、殺すことを許されていたのは戦いに参加している人々だけだったのです。

もしもジハードの目的が、非ムスリムにイスラームを強制することであったのなら、正統カリフは戦いに参加しなかった牧師や僧侶を殺すことを禁じたりはしなかったでしょう。しかし彼らはそうしたのです。初代カリフであるアブー・バクルは、戦いをしかけてくるローマ人たちに対して兵を送りましたが、そのとき、彼は兵士たちにこう励ましの言葉をかけました。“あなた方は神への崇拝に没頭している人々を見つけるでしょう。そのときは彼らのしたいようにさせなさい。”

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