クルアーンの著者はムハンマド?

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説明: ムハンマドがクルアーンを著すことは不可能であったという証拠について。

  • より IslamReligion.com
  • 掲載日時 14 Jun 2010
  • 編集日時 14 Jun 2010
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クルアーンを著したのは誰なのでしょうか?それは何者かによって創り出されたものでなければなりません。人類の歴史において、クルアーンのような世界的に有名な本を残してきた砂漠の民が、一体これまで何人いたでしょうか?そこには過去の諸国家、諸預言者、諸宗教、また当時まだ発見すらされていなかった科学的事実などに関する驚くべき詳細が記されています。これら全ての情報源は一体何だったのでしょうか?もし私たちがクルアーンの神的起源を否定するのであれば、そこにはほんのいくつかの選択肢しか残されません:

ー預言者ムハンマド自身による著。

ー彼による誰かの模倣。この場合、彼はユダヤ人かキリスト教徒、あるいはアラビア半島における異国人から借用したことになります。当時のマッカの民は、彼ら自身からの盗用であると主張する程でした。

そして神による簡潔な回答はこうです:

“また彼らは言う。「昔の物語で、それを彼が書き下したのである。それを朝夕、口で言って書き取らせたのである。」言え(ムハンマドよ)。「これを下されたのは、天地の奥義を知っておられ、本当に寛容にして慈悲深き御方であられる。」”(クルアーン25:5−6)

ムハンマドが生まれてから一度も読み書きを習ったことのないということは、彼を中傷する人々には周知の事実でした。ムハンマドは、それらの人々と共に生まれ育っているのです。彼らはムハンマドがどのような人々を友とし、どのような人々と旅をしたかを知っていました。彼らはムハンマドの誠実さ、正直さを認めて‘アル=アミーン’(信頼の出来る人、正直者)と呼んでいたのです。[1] 彼らはムハンマドの宣教への反発心ゆえに、彼の非難へと突き動かされていました。それは彼らが考え得るあらゆるものにまで及び、それで彼を魔術師、詩人、更には詐欺師とまで呼んだのです。彼ら自身、彼をどのように呼べば良いのか分からなかった程でした。神は仰せられています:

“彼らが汝に対し、どのような例を挙げて誹謗するかを見るがいい。しかし彼らは迷い去っているため、決して道を見い出せないであろう。”(クルアーン17:48)

神は天地の全てに通暁する御方であり、過去と現在を知り、その預言者へ真実を啓示するお方なのです。

ムハンマドがクルアーンを著すことの出来た可能性は?

ムハンマドがクルアーンを著すことは、以下に挙げられる理由によって不可能です:

まず、彼が啓示を捏造することの出来たであろういくつかの状況を考察してみましょう。例えば最初の啓示が下された際、人々はそれをもっと聞きたがりましたが、預言者は数ヶ月に渡って何も啓示を受けませんでした。マッカの民は、‘彼の主は彼を見捨てたのだ!’と言って嘲笑し始めたのです。これはクルアーン第93章のアッ=ドハーが下されるまで続きました。預言者は何かを創り出してそれが最新の啓示であると示し、嘲笑を終らせることも出来たはずですが、そうはしなかったのです。またある時、一部の偽信者たちは、彼の愛妻アーイシャが不貞を働いたと告発しました。預言者は彼女への非難を取り除くための何かを容易に捏造することが出来たはずですが、逆に彼は神の啓示が下され、その告発が虚偽であることが明かされるまで苦しみに苛まれ、嘲笑を受ける恥辱を何日もの間に渡って耐え抜かなければなりませんでした。

次に、それがムハンマドによる著者ではないというクルアーンの内部証拠を検証します。彼は複数の節々において、時に強い調子で批判されているという事実が存在します。彼が偽預言者であれば、どうして自己批判し、自らへの敬意や追従者たちの支持を失うかもしれないような危険を犯す必要があるでしょうか?以下は一部の例です:

“預言者よ、神が汝のために合法とされていることを、ただ汝の妻たちの御機嫌をとる目的だけでなぜ自ら禁じるのだ。本当にアッラーは寛容にして慈悲深くあられる。(クルアーン66:1)

“・・・だが汝は、神が暴露しようとされた、自分の胸の中に隠していたことが人に知られることを恐れていた。むしろ汝は、神を畏れるべきであった。”(クルアーン33:37)

“多神教徒のために御赦しを求めて祈ることは、たとえ近親であっても、彼らが業火の住人であることが明らかになった後は、預言者にとり、また信仰者にとり妥当ではない。”(クルアーン9:113)

“だが熱心に(知識を)求めて汝の許に来た者で、(神に)畏敬の念を抱いている者を、汝は軽視した。断じてそうであるべきではない。本当にこれ(らの節々)は訓戒である。”(クルアーン80:8−11)

もしも彼が何か隠し事をしていたのであれば、彼はこれらの節々を隠したことでしょう。しかし彼はそれらを忠実に朗誦したのです。

“彼(ムハンマド)は不可視の世界(の知っていること)を出し惜しまない。それ(クルアーン)は、呪われた悪魔の言葉でもない。それなのに汝らはどこへ行こうというのか。これこそは、万人への教訓に他ならない。”(クルアーン81:24−27)

また預言者は次の節々において注意、あるいは警告を受けています:

“誠にわれらは、真理をもって汝に啓典を下した。これは神が示されたところによって、汝が人びとの間を裁くためである。汝は背信者を弁護してはならない。神の御赦しを請うのだ。神は寛容にして慈悲深くあられる。自らの魂を歎く者を弁護してはならない。神は背信して罪を犯す者を御好みになられない。彼らは人に(その罪と邪悪な意図を)隠せるが、神に隠しだてすることは出来ない。夜中にかれの御喜びになられないことを策謀する時でも、かれは彼らと共においでになられる。誠に神は、彼らの行う一切のことを御存知であられる。これ、汝らは現世の生活の上で彼らのために弁護している。だが誰が、復活の日に彼らのため神に弁護出来よう。また誰が、彼らの保護者となろうか。悪事を行い、また自分の魂を損っても、すぐに神の御赦しを請うならば、神が寛容で慈悲深くあられることが分るであろう。罪を稼ぐ者は、自分の身にそれを稼ぐだけ。神は全知にして英明な御方であられる。過失または罪を犯して、これを潔白な者のせいにする者は、虚偽と明白な罪を負う者である。もし汝に対する、神の恩恵と慈悲がなかったならば、彼らの一派は、汝(ムハンマド)を迷わそうと企んだであろう。だが彼らはただ自分たち自身を迷わせただけで、少しも汝を損うことは出来ない。神は啓典と英知とを、汝に下し、汝が全く知らなかったことを教えられた。汝に対する神の恩恵こそ偉大である。”(クルアーン4:105−113)

これらの節々は、マディーナのあるムスリムが鎧を盗み、彼のユダヤ教徒の隣人のもとに隠した状況に言及しています。鎧の所有者がその男に詰め寄った時、彼は自分の悪行を否定し、そしてそれはユダヤ教徒の男のもとから発見されました。そして男はそのムスリムの隣人を指し示し、その犯罪への関わりを否定しました。そのムスリム男性の部族民は預言者を訪れて彼の弁護を求め、預言者も彼らへと傾斜しつつありましたが、その時上記の節々が啓示され、ユダヤ人男性の潔白を明らかにしたのです。ユダヤ教徒たちはムハンマドの預言者性を否定していましたが、それにも関わらずこのような出来事が起きたのです。これらの節々は預言者ムハンマドに対し、詐欺師の肩を持ってはならないと指示しています:

“・・・ 汝は背信者を弁護してはならない。神の御赦しを請うのだ・・・もし汝(ムハンマド)に対する、神の恩恵と慈悲がなかったならば、彼らの一派は、汝を迷わそうと企んだであろう。 ”

もしもムハンマドがクルアーンを著したのであり、虚偽を働く詐欺師だったのであれば、彼は追従者や支持者たちを失うような要素が一切ないよう念を入れたことでしょう。クルアーンが様々な場面で、預言者が不正確な判断を下すといった特定の事例において彼を譴責している事実は、それが彼による著作ではないことを明確に証明しているのです。



Footnotes:

[1] Muhammad: His Life Based on the Earliest Sources’(ムハンマド:最も初期の情報源に基づいた彼の人生)、マーティン・リングズ、34頁。

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