イスラームにおける経済システム(上):イスラーム経済の源

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説明: 社会の経済システムを導くためにイスラームが立法化した基礎の導入。その1。経済活動を導く法は何を源泉としているか。

  • より IslamReligion.com
  • 掲載日時 01 Oct 2012
  • 編集日時 17 Jan 2021
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序説

The_Economic_System_of_Islam_(part_1_of_2)JP_001.jpgイスラームは完全な人生の模範として、生活と社会のすべての面における指導基準や規制を設けています。当然ながら健康的な社会には、商品やサービスの消費、共通の媒体を使ったそれらの生産が、人々の物質的およびその他の面での人生のゴールを決めるという点において、機能する経済システムが必要です。

そのような経済システムが確立されるために、イスラームでは公正さと実用性に基づいた基準が設けられています。しかし、そのような基準が、お金を社会で最も重要なものとするとき、人々はお金が単に、神を崇拝するという本当の人間の目的の二次的目的にすぎないということを忘れてしまいます。

イスラームの経済システムは収入や支出、輸出入、その他の統計の正確な額はあまり気にしません。これらのことは間違いなく大切なものですが、イスラームは経済システムの精神的な部分をもっと大事にします。

イスラーム法を採用し、イスラームの行動規範を奨励する社会は、その社会が取り扱う社会・経済その他のシステムが包括的に考慮されていると分かるでしょう。イスラームでは、神は命を与えられた全ての人間に糧を与えると信じられています。それゆえ世界の自然の中に存在していると仮定される自然資源を取り争っているという考えは、間違いです。地球には人間を養うのに十分な資源があるのですから、私たち人間が考えることはそれをどう発見し、抽出し、処理し、それらを必要としている人々に配分するかということなのです。

イスラームには、個人と創造主との関係、個人とその他の人々との関係、個人と宇宙との関係、個人とその人自身との関係を正す教えがあります。そういう意味では、イスラームは人間の行動を規制しますし、その一部が経済活動なのです。イスラーム教徒は経済活動により、商品とサービスを生産、普及、消費します。イスラームにおいては経済活動であれ何であれ、人間の行動が価値観の無いものであったり、中立的価値観であったりすることはありません。それは信仰の理念的基礎とかかわり合っているのです。

イスラーム経済の源泉

イスラームの基本はクルアーンと預言者のスンナ1であり、これらが経済活動のガイドラインや社会の経済システムの骨組みにおける規制を提供します。それゆえイスラームの経済システムの価値と目的は必ず、これらの源泉から導かれる基準に従っていなければなりません。この記事の目的は、イスラームの基本をもとにした経済システムの最も顕著な特徴をまとめることです。ここではイスラームのシステムの主な特徴に焦点をあてましょう。

イスラームの経済システムは、シャリーアと呼ばれる法規定群によって定義されます。シャリーアに含まれる規定には既に制定されているものもあれば調整可能なものもあり、つまり経済的な要素を作り上げる規定もあれば、それを制御する規定もあります。天啓の総括的な部分として、シャリーアは精神的、個人的、社会的、政治的、文化的そして経済的な、生活の全ての部分を包含しています。それが個人的なものであろうと、社会的、国家的なものであろうと、全ての行動にそれが違法か合法化という指針をつくっているのです。シャリーアには5つのタイプの規定があります。義務、奨励、許容、忌避、禁止です。それは経済活動も同じです。

イスラームのシャリーアの基本的な源泉はクルアーンとスンナで、人類の導きとして必要な全ての規定が含まれています。スンナはそれらの規定を、預言者ムハンマド(彼の上に神の祝福と慈悲あれ)の実践的行動によってさらに説明したものです。シャリーアの規定の展開と新しい状況におけるその適用は、学者間の合意と、推測、つまり以前存在した問題と新しく発生した問題の類似点を考察しつつ規定を導き出すこと、そして専門家の類推を材料として行われます。シャリーアは5つの源泉、つまりクルアーン、スンナ、学者間の合意、類推、明文の考察から成立するのであり、経済活動もこれらをもとにしています。

公正さ

おおむね、イスラームの経済システムは公正さを基準にしているといえます。イスラームの個人的・組織的な経済活動の規制は、公正さから理解できます。イスラームにおける公正は多面的な概念であり、それを定義する言葉はいくつもあります。公正という概念を定義するのに最もよく使われるアラビア語単語は「アドル」です。この言葉の類似語の多くには「正しい」という意味も多くみられ、公平さ、ものを正しい位置に置く、平等、平等化、均衡、中庸、穏健などを意味します。実際に公正さとはシャリーアを基に行動することであり、本質的な公正さ2 を手順として公正さが経済活動を規制します。本質的な公正さはシャリーアの本質を含み、手順としての公正さは様々な手順において法の本質に公正さがあるように確認するためのものです。経済における公正さという概念、配当の公正さ3 は、イスラームの経済システムの中でも最も大事な要素の一つです。消費者、生産者、政府の経済活動に対しての許可と禁止、所有権、財産の生産と配当に関する規制は、イスラームにおける公正さをもとに作られているのです。

次の記事では、次の問題が議論されます。

個人の義務、権利、個人の利益

所有権

契約の重要性

仕事と財産

バラカという概念

経済的公正さ

利子(リバー)の禁止

競争と協力

国家の役割



Footnotes:

1 スンナとは預言者の言葉、行動、判断を書き残した記録です。

2 本質的な公正とは正しい結果に到達することです。手順としての公平とは正しい方法で結果に到達することです(香港の政務官エルシー・ラング氏による演説「世界レベルでの効果的な仲裁方法」より)。

3 需要が供給を上回ったときの、模範的な商品配当の仕方(スタンドフォード哲学百科)。

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