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クルアーンの逸話(3/4):抜かりなく保持・守護された啓示

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説明: いかに神の言葉が写本としてまとめられたか。

  • より アーイシャ・ステイシー
  • 掲載日時 10 Jun 2013
  • 編集日時 11 Jun 2013
  • プリント数: 55
  • 観覧数: 7284 (日平均: 4)
  • 評価: まだ評価されていません
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  • コメント日時: 0

 当にわれこそは、その訓戒を下し、必ずそれを守護するのである。”(クルアー15:9)

神が人類全体の導きとして、その御言葉としてクルアンを下されたとき、神はそれが保持されることを保証しました。それが保持された方法の一つとして、預言者ムハンマドの周囲の男女と子供たちが一文字一文字を重に暗記したことが挙げられます。イスラーム初期においては、暗記に重要性が置かれていましたが、み書きをマスターした者たちは、クルアーンの言葉を入手可能な様々な媒体に書き留めることを始めました。彼らは平らな石、樹皮、骨、または動物の皮を使用しました。

神の言葉が天使ガブリエルを介して啓示されると、預言者ムハンマド(神の慈悲と祝福あれ)は筆官を呼び、その都度書き留めさせたと言われています。主要な筆写官はザイドブン・ービトという人物でした。多くの友たちは、預言者ムハンマドがこういってザイドを呼んだことを伝えています。「彼に板とインク、そして肩甲骨を持ってこさせなさい。」1預言者の生前、クルアーンは本の形を取っていたのではなく、断片的な筆写物の集まりだったのです。

時、クルアーンがまだ本の形を取っていなかった理由の一つとしては、それが順序通りに啓示されなかったから、というものがあります。各章・節は23年間に渡り、初期のムスリム共同体の出来事に即時に対応するため断続的に啓示されることが多かったのです。しかしながら、預言者ムハンマドはクルアンの各章の順番を認識していました。天使ガブリエルが神の言葉を啓示したとき、同時に各章・節がどこにするのかも伝えていたからです。

クルアンは、預言者ムハンマドによる直接の監督によって書き留められました。預言者ムハンマドに最も近かった友の一人、ウスマンはこのように述べています。「預言者ムハンマドに何かが啓示されたとき、彼は筆写官の中から誰かを呼び、こう言ったものです。『これらの節を、これこれのことが言及された章に配置させなさい。』そして1節のみが啓示されたとき、彼はこう言いました。『この節をこの章に配置させなさい。』2

それゆえ、預言者ムハンマドに死が訪れると、クルアンの断片はムスリム共同体の中の信頼が置ける者たちによって保管されるようになりました。彼らの一部は、自分たちがんでいたものの中の数ージ分しか保有していませんでしたが、筆官などの一部は複数章、またその他の一部は一節だけ記された樹皮や動物の皮を保有していました。

預言者ムハンマドの死後、ムスリム共同体の指導者として選ばれたアブー・バクルの時代、大した共同体には部紛争がくすぶるようになりました。偽預言者が現れ、預言者ムハンマドなくして信仰を保てなかった人は困惑し、背教したのです。内戦や小規模な戦闘が勃発し、クルアーンを暗記していた多くの者達が生命を落としました。

アブー・バクルはクルアーンが失われてしまうことを恐れたため、クルアーンを一冊の本としてまとめることを友たちの中の長老たちと協議しました。彼はザイドブン・ービトにこの作業を監督するよう要請しました。当初、ザイドは預言者ムハンマドが明確に承認しなかったことに取り掛かることを躊躇しました。しかし、最終的にはクルアンの断片を筆写・暗記の方から収集し、ムスハフ(写本)としてまとめることに合意しました。預言者ムハンマドにまつわる承から、ザイド・ブン・サビトによるクルアーンの編纂がどのように行われたのかが分かります。

「アル=ヤママの人々偽預言者ムサイリマとった預言者の教友たち)が殺されたとき、アブー・バクルは私を召集しました。私が彼のもとを訪れると、そこにはウマルブン・アル=ハッターブが彼と共に座っていました。アブー・バクルは、私にこう言いました。『ウマルがここに来て、クルアーンを暗記していた者たちの牲者の数が多かったことを私に告げた。そして彼は、こう言ったのだ。“私は、もし戦場でより多くの牲者が出れば、クルアーンの大部分が失われてしまうことを恐れる。したがって、私はあなたがクルアンを収集することを提案する。”

私はウマルに言った。“神の使徒が行いもしなかったことを、どうして私が出るだろうか?”ウマルは言った。“神に誓って、これは善いことなのだ。”ウマルは、私が彼の提案を受け入れることにして譲らなかった。そして、ついに神は私の心を広め、私はその提案が善いことであると認識し始めた。』そしてアブー・バクルは、(私に)言った。『あなたは賢明な若者だから、我はあなたに疑念を抱いてはいない。あなたは神の使徒のために啓示を書き留めていた。だから、クルアーンの筆物の断片を探し、それらを一冊の本としてまとめるのだ。』」

「神に誓って、もし彼らが私に山を動かせと命じたとしても、これ(クルアンの編纂作業)より困難ではなかったであろう。私はアブー・バクルに言った。『神の使徒が行いもしなかったことを、どうして出来ますでしょうか?』アブー・バクルは答えた。『神に誓って、これは善いことなのだ。』アブー・バクルは、私がその提案を受け入れることにして譲らなかった。それでついに神は、アブー・バクルとウマルの心を広げたように、私の心をもげられた。それゆえ、私はクルアンの書かれたものを探し始め、棗椰子の茎、薄く白い石、暗記している人々から、それらのすべてを集したのだ。

ザイドはクルアンを全暗記しており、預言者ムハンマドによって最も信された筆写官でした。それゆえに、彼は自らの記憶を頼りにクルアンのすべてを書き留めることも可能でしたが、彼はその方法だけには頼りませんでした。彼はクルアンの編纂において非常に理路整然とした手法を取り、かつ慎重を期して、最低でも預言者ムハンマドの教友の2人からの確認を得るまでは、一節たりとも書き留めたりはしませんでした。

こうしてクルアンは書き留められ、本の形としてまとめられました。それはアブー・バクルのもとに彼の死まで保管され、その後ウマル・ブンアル=ハッターブのもとに渡り、ウマルの死後は彼の娘であるハフサのもとに渡りました。ムスリム家の3代目指導者であるウスマンの時代になると、クルアーンの写本であるムスハフが標準化されるようになりました。クルアーンはそれまで行われていたような、アラビア語の複の方言によって記されなくなったのです。第4部では、ウスマン版のムスハフがいかにしてもたらされたかについて述べられます。



Footnotes:

1 サヒフ・ブハーリ

2 アブー・ダーード

 サヒーフブハー

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