イスラームにおける教養(中):知の探求

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説明: クルアーンにおいて啓示された最初の言葉から、教養と教育の伝統は始まったのです。

  • より アーイシャ・ステイシー
  • 掲載日時 09 Mar 2015
  • 編集日時 09 Mar 2015
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Literacy_in_Islam_(part_2_of_3)_001.jpgイスラームは、教養と深く関わっている宗教です。クルアーンが啓示されたときの最初の言葉は「イクラ(読め・学べ・理解せよ)」でした。マッカ郊外の洞窟で、天使ガブリエルは預言者ムハンマドの胸を締め付け、彼が読むよう要求しました。読み書きのできない預言者(神の慈悲と祝福あれ)は、こう答えました。「私は読むことができません!」

“読め、「創造なされる御方、あなたの主の御名において。一凝血から、人間を創られた。」読め、「あなたの主は、最高の尊貴であられ、筆によって(書くことを)教えられた御方。人間に未知なることを教えられた御方である。」”(クルアーン96:1−5)

預言者ムハンマドは読み書きができませんでしたが、教養の重要さは理解していました。当時のアラブ人たちの大半は読み書きができなかったものの、非常に雄弁で、言語への愛着を持っていました。アラブ人たちは、詩、物語り、そして系譜の暗記など、話し言葉を究めています。教養の激励は、自然な進歩なのです。

ムスリムは、クルアーンの言葉を神の言葉そのものであると信じており、それを保持することは最も重要な関心事でした。イスラームの最初期から、預言者の教友たちはクルアーンの言葉を書き留め始めていました。そのために樹皮、動物の革、さらには石なども用いられました。これは教養の新たな時代に寄与したのです。

初期ムスリムの多くはマッカ社会において地位や権力がなく、あるいは奴隷で貧困にあえいでいました。イスラームは彼らが平等と敬意を勝ち取る機会を与えました。預言者ムハンマドは、彼の追従者たちが良い教育を受け、教養があれば、彼の新たな国家は存続し、発展するであろうと賢明にも理解していました。

マッカの抑圧者たちとの最初の戦争であるバドルの戦いにおいて、ムスリム軍は70名の捕虜を得ました。預言者ムハンマドは、捕虜たちの大半が読み書きができたことを知っていたため、ムスリムに読み書きを教えることができた10人の捕虜を解放しています。

新ムスリムたちは、それぞれの人生の中でクルアーンの教えを実践する重要性を理解し始めました。その当時は現在と同様に、信仰者が周りの世界を見回し、創造の驚異について熟考し、創造主の偉大さを理解するには教養が必要でした。信仰者たちは、クルアーンを読んで神と親密になろうと心がけます。彼らは知を求めて自らの信仰を強化させます。彼らは真の服従と確信によって神を崇拝するため、そうした知識を実践に移すのです。

“また知識を与えられている者たちは、この(クルアーン)があなたの主からの真理であることを知り、心を謙虚にしてそれを信じる。本当にアッラーは、信仰する者たちを正しい道に導かれる方である。”(クルアーン22:54)

ムスリム学者たちによって細心の注意と共に、念入りに記録された預言者ムハンマド(神の慈悲と祝福あれ)の言行録において、彼は追従者たちが知識の探求をするよう激励していたことが伝承されています。人が知識を求めて道を歩むのであれば、神はその人物のために楽園への道を容易なものにすると彼は述べています。また彼は、知識とは死後も続く3つの善行のうちの1つであるということも述べています。

人間には頭脳と知性があります。私たちにはまた理性の力、そして知識を受け入れるか拒絶するかの自由意志もあります。神は知識を得るための道具とともに人間を創造されました。かれは人類の父アダムに、あらゆるものの名前を教えました。アダムには言語能力、またいかに知識を応用すべきか、そして計画を立てて決断し、目的を達成する能力が与えられたのです。私たちアダムの子孫は、地上に繁栄し、最善の方法で神を崇拝することのできるよう、それらの能力を受け継いだのです。

“かれはアーダムに凡てのものの名を教えた。”(クルアーン2:31)

“アッラーはあなたがたが何も知らない時、あなたがたを母の胎内から生まれさせ、聴覚や視覚や心(知能感情)をも授けられた。必ずあなたがたは、感謝するであろう。”(クルアーン16:78)

イスラームにおいては、知識の探求が重要視されます。預言者ムハンマドは、その信徒たちに勉強会に参加するよう激励し、またクルアーンの教師を周辺部族や遠方の諸都市へ派遣しています。彼は信徒たちと座り、イスラームの基本を教え、彼らの朗誦するクルアーンを慎重に聞きつつ、たびたび涙を流したものでした。預言者ムハンマドは、クルアーンを学んだ後に他者に教える者が、彼の信徒たちの中でも最善の者であると述べていました

初期のムスリムたちは、クルアーンやイスラーム学を学べる学校を設立しました。当初、イスラームは迫害の恐れから秘密裏に実践されており、アルカムという人物の家でイスラーム知識が伝播されていました。21世紀の現在も、最初のイスラーム学校を記念し、ムスリム世界の各地ではダールル=アルカム(アルカムの家)という名の学校が多々あるのです。

イスラームは知識、教育、教養、そして知的探求を徳の高いものとみなします。イスラームの歴史を通して、学校や大学、図書館などの設立は数え切れません。ムスリムたちは教育論は確立させ、カリキュラムを設定し、文学や芸術を追求し、知の探求をさらなる高みに引き上げました。

第3部では教育論、そして学校や教育センターの設立について見ていきます。



脚注:

この記事全体における知識とは、有益な知識のことを指します。つまり、人に神と創造の偉大さを知らせ、理解させる知識のことです。

サヒーフ・ブハーリー

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