ジェイソン・クルス 米国出身の元司祭

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説明: 諸宗教の間をさまよっていた米国人司祭が、イスラームを受け入れます。

  • より Jason Cruz
  • 掲載日時 05 Oct 2015
  • 編集日時 05 Oct 2015
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アルハムドゥリッラー(神に称えあれ)、私はアッラーの祝福により2006年からイスラームという贈り物を授かりました。私の歩んだ道のり、そしていかにアッラーが私を祝福してくれたかについて書きつづることを依頼されたとき、私はためらいました。私は、他の人たちがイスラーム改宗について公表する際に得られる評判に有頂天になるのを見てきたからです。私はそれと同様の試練は望んではいませんでした。

ですので、私はこの改宗記を私自身の逸話ではなく、アッラーの働きかけによるものとして見て欲しく、アッラーの慈悲と偉大さに焦点を当てたいと思います。インシャーアッラー。アッラーのご慈悲なしにイスラームに入信する人はおらず、本当に重要なのは改宗者ではなく、アッラーによる働きかけに他なりません。

私は名目上はローマ・カトリック教徒として、ニューヨーク州北部に生まれました。母はローマ・カトリック教徒、父は長老派教会の信者で、結婚のためカトリックに改宗しました。

私たちは日曜日に教会へ行き、公教要理、初聖体、そしてローマ・カトリック教徒としての堅信礼といった儀式を受けてきました。私は若くして、アッラーからの呼びかけを感じていました。私はその呼びかけをローマ・カトリック教の司祭になることとして解釈し、そのことを母に告げました。喜んだ母は、私を地元の教区の司祭に会わせに行きました。

幸か不幸か、その司祭は自身の召命について満足しておらず、聖職者は志さないよう私に助言しました。私は落ち込みましたが、もし彼の反応がポジティブなものであったなら、その後の私の人生がどれ程異なるものになったか分かりません。

アッラーの呼びかけに対する失望、そして私自身の愚かさから、10代だった私は反対の方向へ進んでいきました。私が7歳のときに家庭は崩壊し、離婚後に去った父の不在に私は苦しみました。

15歳のときから、私は全宇宙の主よりもナイトクラブやパーティーに興味を持つようになりました。私は弁護士になり、その後政治家になってマンハッタンのペントハウスを所有し、社交界で一躍有名になることを夢見ました。

高校を優秀な成績で卒業した私は、一旦大学に入学しました。しかし、私自身のねじれた関心により、学位を取得せずに大学を中退し、(現在に至るまで居住している)アリゾナ州に引っ越すことになりました。

私はそのことを今でも後悔しています。アリゾナに移った私の状況はさらに悪化しました。故郷の友人たちよりもさらに酷い人々と付き合いだした私は、麻薬に手を染めました。学歴のない私は底辺の仕事に就き、麻薬・乱交・ナイトクラブに時間を費やし続けました。

その当時、私は初めて一人のムスリムと出会いました。彼は留学生として現地の大学に通っていた気前の良い人物でした。彼は私の女友達の一人と付き合っており、一緒にナイトクラブやパーティーに通ったものでした。私は彼とイスラームについて議論したりした訳ではありませんが、彼の文化について質問し、彼はそれに喜んで答えてくれました。イスラームの話題は上がりませんでした。私はここでも、もし彼が実践的なムスリムだったら人生はどうなっていたのかと考えたりします。

こうした悪いライフスタイルは数年間続きましたが、その詳細はここでは長々と述べません。私の知り合いの何人かは亡くなり、私は刃物で刺され負傷したり多くのトラウマを抱えましたが、これは薬物の危険性を警鐘する記事ではありません。

ただ、ここでそれらに言及するのは、たとえいかに堕落しようとも、インシャーアッラー、アッラーはあなたをそこから救い出すことができるのだということを言いたいからです。では、私が麻薬から足を洗ったところまで早送りしたいと思います。麻薬中毒から脱出する過程の一つとして、「より高い存在」との関係構築が挙げられます。

大半の人にとって、それは神、もしくは神格性を持つものに対するものです。私は長きにわたってアッラーとの関係を失っていたため、より高い存在を探し求めるようになりました。残念ながら、当初は真理を探し出すことはできませんでした。私はそれによる自分に起きた苦難に対する説明に納得がいったことから、ヒンズー教に改宗しました。

私はそれにどっぷりとのめり込み、ヒンズー教の名前に改名すらしました。それによって麻薬を止め、より良い方向に人生を進めることができるようになったことについては感謝しています。やがて、私は再びアッラーによる影響力を感じ始めました。そうして、私にとってヒンズー教は真の道ではないことが示されました。

アッラーは私がヒンズー教を棄教するよう導いたため、私はキリスト教に回帰し始めました。私はそれがアッラーの導きであると感じたため、ローマ・カトリック教会に連絡して司祭になる手続きをしたところ、彼らはニューメキシコ州の修道院で修行する機会を提供してくれました。その頃には私が住んでいたアリゾナ州に家族(母と兄妹)も引っ越してきており、多くの親しい友人たちもいました。

言うまでもなく、私には心の準備ができていませんでした。ニューメキシコでの修行の代わりに、在宅で神学を学びつつ聖職者として任命してくれるカトリックの独立教会を見つけました。このカトリックの独立教会は、私がそれまでの人生で育んできたリベラルな価値観からも魅力的でした。私は彼らの神学プログラムに参加し、2005年に聖職者として任命されました。

司祭となった私の最初の任務は、宗教間対話でした。私に課せられた課題は、フェニックス都市圏の異なる諸宗教の慣習について学び、教会の代表者として宗教間の平和のメッセージを伝えることでした。

キリスト教の慣習の大半は、勉強したため知っていました。ユダヤ教やその他の極東の宗教については勉強し直しました。私は、仕事を持つ聖職者を意味する「労働司祭」という職務に就いており、教会外では医療機関に就職していました。

職場はマスジドと同じ道にありました。私はこれが、宗教間対話のためにイスラームを学ぶ良い機会だと思いました。モスクに行くと、非常に親切な兄弟たちと出会い、アリゾナ州テンピにあるモスクを紹介されました。

私はまた、個人的にもイスラームについて読むようになり、その内容から感銘を受けていました。そのとき、アッラーは私をしっかりと掴んでいましたが、私はまだ気付いていませんでした。テンピのモスクへ行くと、アフマド・アル=アクームという素晴らしい教師と出会いました。

ムスリム・アメリカン・ソサエティの地域管轄者であるアル=アクーム氏は、一般のあらゆる信仰を持つ人々に開かれたイスラーム初歩クラスを教えており、私はそれに参加しました。クラスへの参加を重ねる度に、私はイスラームが真理であることが分かり始めました。テンピ・モスクのアフマド・シュケイラート師の元でシャハーダ(信仰証言)をするまでにそれほど時間はかかりませんでした。アル=アクーム氏とシュケイラート師はどちらも素晴らしい人物で、彼らがいなければイスラームへの改宗をしようとは思わなかったでしょう。私は教会での職務を辞任し、それ以来ずっとムスリムです。アルハムドゥリッラー(アッラーに称えあれ)。

イスラームを受け入れてからの私の人生は、劇的に改善しました。当初、私の家族は私が司祭職を去ったことについて悲しみ、イスラームを理解するどころかそれを恐れていました。しかし、私の幸せな様子や、クルアーンとスンナの履行に対する個人的な努力など、私がイスラームから受けた影響を見た家族は、それを良いものと見なすようになりました。

アル=アクーム氏は、改宗者にとって最初の1年が最も困難なものであることを知っていました。そうした困難さを軽減させるため、彼は私がコミュニティの活動に多く携わり、沢山の実践的な同胞と出会うよう尽力してくれました。改宗者が成功するかどうかは、他のムスリムたちとの良い出会いに委ねられていると言っても過言ではありません。

新改宗ムスリムを孤立させてしまうと、不安に陥ったり信仰心があっという間に衰えたりする場合があります。そのため、読者の中でもし改宗者を知っている方がいれば、最低でも3日に1回は会いに行ってあげて下さい。私はムスリムになったおかげで、職業スキルを上達させることができました。私はアルコール・薬物乱用、HIV、肝炎などを予防するプログラムの管理人になることができました。

私はムスリム・アメリカン・ソサエティだけでなく、アリゾナ州の他のムスリム青年プログラムのボランティアにもなりました。また、最近はシャハーダをしたテンピ・モスクの役員として推薦されました。アルハムドゥリッラー、それは誰が私の本当の友で、誰がそうでないのかも明白にしてくれました。

今では非ムスリムの友人よりもムスリムの友人が多くなりました。ムスリムの同胞たちとは、これまでの人生で育んだこともないような、貴重な友人関係を築き上げることができました。インシャー・アッラー、もしもアッラーがお望みなら、イスラームのため、そして私が愛する共同体のため、留学してイスラーム法を勉強しようと思っています。これらすべてはアッラーの恩寵によるもので、過ちがあるとすれば私自身からのものに他なりません。

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